2012年5月21日(月)〜23日(水)と、環境生活都市経済常任委員会の研修で、太宰府市、長崎市、小倉市を訪ねました。
まずは太宰府市の報告です。

■研修テーマ:「景観と歴史のまちづくり」について

■太宰府市概要

人口70114人 世帯数29429  面積29.58km2

言わずと知れた「太宰府天満宮」のお膝元、面積の15%が史跡指定され、年間700万人の観光客が訪れるという歴史のまちです。
4年制大学5、短大3、そして国立博物館のある学問の都市としての側面も持ち、福岡のベッドタウンとして人口が増え続け(増加率5.1%)ているまちでもある。
キャッチフレーズは「歴史とみどり豊かな文化のまち」。

■事業内容
「景観と歴史のまちづくり」は、下記の3つの計画を連動させた取組み
・太宰府市民遺産活用推進計画
—登録された市民団体が地域が大切に思うモノ・コトを文化遺産として申請登録し、見守り伝えていく仕組み
・太宰府市景観まちづくり計画
—市内を5つの景観区域に分け、重点地域として二つの景観育成地区も指定。建築物や緑化に規制をかけ「太宰府らしい」景観を目指す仕組み
・太宰府市歴史的風致維持向上計画
—歴史的建造物と風習・祭事などの伝統行事が一体となった「太宰府らしい風情」を維持向上させる仕組み

中でも質問が集中したのは建築への規制です。規制しなければ人口も10万人くらいにはなっていたのではという推察もできる中、高さや色を指定し開発に規制をかけたことで、結果としては人口増を抑制することになったことについては、「規制があることによって価値があるまちとなった」という見解でした。きっぱりと覚悟を持ったまちづくりの姿勢は感銘を受けるものでした。
もちろん、「太宰府」という誰もが納得する大きなポテンシャルを持つ太宰府市の例をそのまま守山にあてはめるのは無理でしょうが、人口規模も近く取り入れられるものも多いのではないかと思いました。
また、「市民遺産」の活動で中心になっているのは、50年代に移り住んで来た方達で、以前は「新住民」「旧住民」という言い方が太宰府にもあったが、いつの間にか無くなった、という説明にも大きな関心を持ちました。

参考:コミュニティバスも市内で見かけ、乗車率も高くびっくりしました。
「まほろば号」。この春には路線も拡大し、一律100円で乗車できる。年間1億5000万円市が負担。この他に、スーパーが走らせているバスもある。
現在守山でも導入を検討中ですが、赤字になることはどうやっても逃れられないので、住民の福祉向上と財政事情のせめぎあいでの難しい判断となりそうです。